向回路

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20100330

2010/03/27(Sat) J.LEAGUE DIVISION1 第4節 (ヤマハスタジアム)
ジュビロ磐田 2-3(前半1-0) 京都サンガF.C.
<得点>
(磐田)イグノ、前田遼一
(京都)ディエゴ、柳沢敦、中山博貴

 磐田に勝てない。いや、ホーム西京極ではなんとか勝つことが出来た。しかし、ここヤマハスタジアム、そして静岡県で勝てない。1996年にJ昇格してから早15年。このジンクスは破られることなく、今日の日を迎えてしまった。過去のヤマハスタジアムでの対戦成績、サンガの1分9敗…
 ここ数年、磐田まではサポ仲間で車遠征するのが定番になっている。今日のメンバーは3人。山科に9時集合で、名神を東へ進む。さて、静岡といえば浜名湖の鰻ということで、これまでの遠征でももちろん鰻を食べていたのだが、いいかげん勝てない磐田遠征に、「鰻を食べると負ける」のではないかという疑念が浮かんできた。去年の遠征でも散々ネタにして、「絶対鰻を食べるなよ!」と言っていたにも関わらず、同乗の方が鰻弁当を買ってしまっていたという。今日こそは、試合前に鰻を食べない。食べるならもちろん、勝利の宴で!


 16:03KICK OFF。サンガは前節仙台を下した時と同じスタメンで臨む。対する磐田、下位に沈んではいるが、イグノ・前田の2TOPは十分驚異的で、加えて西、松浦とサンガに相性の良い選手もいる。案の定、というか、20分に中央でチエゴと郭泰輝の連携が乱れたところをイグノにカットされ、すぐさまミドルシュート。打たれた瞬間に入ったと分かるシュートで、今日も先制を許してしまう。その他はほとんど決定機を与えていなかっただけに、実にもったいない失点。だが、これも序章に過ぎなかった…
 勝負の後半、まずはサンガ。ここ数試合、立ち上がりで失点している磐田だが、後半2分、中央でボールを受けたディエゴ、まさかここで打つかといった距離から強烈なミドルシュートがゴール右隅に突き刺さり、後半立ち上がりに同点に追いつく。しかし13分、左サイドを突破したイグノのクロスを受けた松浦を、水本がエリア内で倒してしまいPKを与えてしまう。これを前田にきっちりと決められて磐田勝ち越し。恐れていた2TOPに得点を許してしまい、これまでのサンガだったらこれで終了だった。だがしかし。21分、中山のサイドを変えるロングボールに反応したのは柳沢。ワンバウンドしたボールを左足ダイレクトで打ち込み、再び同点。GKとゴールポストの僅かな間を狙い澄ました流石のゴールは、J通算99得点目。直後にGKと1vs1になるが、これは少し迷ったのか、ボールを持ちすぎてGKに押さえられてしまう。 その柳沢に替えて、37分に宮吉を投入。攻めて勝ちに行け、との監督からのメッセージか。遅れること6分。磐田もセンターバックに替えてFWを投入。お互い勝負を賭けた終了間際の攻防。まずは磐田のCKだが、これ以上の失点は絶対に許さない。GK水谷が弾きだす。そしてロスタイムが1分を過ぎたその時。安藤の浮き球のパスを中央で受けたのは中山博貴。しかもセンターバックが抜けた磐田のディフェンスライン。中山はドフリーだった。GKと1vs1。迷って正面に打ってしまうのか、豪快にふかしてしまうのか。だが中山の選択はそのどれでも無かった。GKの位置を見極め、冷静なループシュート。一瞬時が止まったかのような、スローモーションのようなボールは、美しい弧を描いて磐田ゴールに吸い込まれていった。サンガ勝ち越し!飛び上がるアウェイゴール裏とサンガベンチ。そしてその瞬間、帰路に着くメイン・バックスタンド。ついにヤマハスタジアムでこの光景を見ることが出来るとは。程なくタイプアップの笛。3-2でサンガ勝利。苦節15年で初めて掴んだ静岡での勝利は、価値ある連勝、白ユニ初勝利、そしてアウェイでほとんど勝てず、“内弁慶”と言われた去年のサンガに終止符を打つこととなった!


 試合終了後のゴール裏の盛り上がりようは尋常では無かった。古いサポは、ヤマハでの初勝利に酔い、新しいサポもアウェイでの久々の勝利に酔う。あちこちで記念写真、勝利のバンザイ×5、そして広島との入替戦以来だろうか。アウェイでのオーレオレサンガ。もちろん、下位の磐田相手に決して手放して喜ぶことの出来ない内容なことは十分承知だ。それでも、現地観戦組にとっては、何倍も価値のある出来事だった。
 ナビスコカップを挟み、次節は長居でセレッソ大阪戦。負けられない関西ダービーで、柳沢の100ゴールは見れるのか…

 だが、今はまだ勝利の余韻に浸ってもバチはあたるまい。
 もう一度言おう。

 「ようやくヤマハで勝ったぞ!」


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