向回路

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20120104

2012/01/01(Sun) 第91回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 決勝 (国立霞ヶ丘陸上競技場)
京都サンガF.C. 2-4(前半1-3) FC東京
<得点>
(京都)中山博貴、久保裕也
(FC東京)今野泰幸、森重真人、ルーカス×2

2012/01/01(Sun) 第33回 全日本女子サッカー選手権大会 決勝 (国立霞ヶ丘陸上競技場)
INAC神戸レオネッサ 3-0(前半1-0) アルビレックス新潟レディース
<得点>
(神戸)南山千明、瀬愛実、田中明日菜

【4:30】
 起床。2011年末は29日から東京に滞在しており、天皇杯準決勝を勝ち抜いたことで、年越しも東京で過ごすこととなったが、ホテルを予約していたのは31日の朝まで。大学の後輩の部屋に泊めてもらっての年越しとなる。
【5:30】
 京王相模原線乗車。乗り換えのため調布駅に降りると、既に青赤のマフラーをした人を見かける。ここはアウェイ、東京。
【6:20】
 新宿駅着、JR中央総武緩行線に乗り換える。まだ早朝なのでオレンジ色の東京行中央線が各駅停車でやって来た。さらに赤青サポーターが増える。
【6:30】
 千駄ヶ谷駅着。駅前ではFC東京グッズ売店がセッティング中。中立開催の天皇杯、しかもトーナメント櫓の関係上アウェイ側に位置する東京のくせに調子に乗っているではないか(まあ無理もないが)。すでに何人か「ホーム自由席譲ります」のメッセージボード。横浜サポか鹿島サポか。
【6:40】
 国立競技場、千駄ヶ谷門到着。まだ門は閉じられているが、既にサンガサポーターも入場列を作っている。顔なじみのサポーターと新年の挨拶をして、自分も待機列へ。サンガ側は平和そのものだったが、反対の東京側はかなりの混雑だった模様。バックスタンド側の女子列(INAC+新潟)にも、新潟から応援バスが6台やって来るなど、最終的には千駄ヶ谷門まで待機列が伸びていたらしい。しばし待って、高速バスで来たサポ仲間と合流。
【7:30】
 門が開いて入場列の再整列。係員に「15人」と申告。前日に京都を出発した後援会バスはまだ海老名SA。どうも1時間の時間調整をしている様子。
【7:55】
 国立競技場メインスタンド屋根の向こうから太陽が昇ってきた。国立の初日の出だ…
【8:30】
 ようやく京都からMK観光バス6台で後援会バスが到着、いつもの仲間とも合流。しかし後援会バス組はチケットをまだ受け取っていないらしく、10:00受け取りとのこと。並んでも意味ないんじゃ…その分も席の確保に走らないといけない。
【9:00】
 コレオグラフィーの準備説明会。紫と白のコート紙で、中央に優勝カップ、左右に前回優勝の「2003」、今回取りに行く「2012」の文字を表現するとのこと。その枚数、実に16,000枚とか。普段の西京極の入場者数の2倍以上。これは心してかからないと…
 後ろを振り返ると、西京極では考えられないほどの待機列。もちろん他サポが多いのは承知の上だが、サンガゴール裏にこれほどの列が出来ていることに感動を覚える。

【9:30】
 入場開始。早速ゴール裏に走り、ビジョン真下下段に15人分の席を確保。まずは一仕事終了。コレオグラフィーの準備が始まるまで、しばしスタジアムの様子を見学。今日は天皇杯マッチデープログラムが配布されており、表紙には「【決勝】京都サンガF.C. vs FC東京」の文字が踊る。4回戦以降用プログラムに大きくチーム紹介されただけでも気持ち良かったが、さらに決勝のマッチデー。これも勝ち上がってきた証拠の一つだ。
 各コンコースの売店ではサンガグッズ売店も数多く出店されており、京都から在庫全部持ってきたんじゃなかろうかという程の盛況。横に日本代表ブースもあり、今年からの新ユニフォームの販売も行われている。センターに赤いラインの入った新デザインは…微妙。
 そうこうしているうちに、INAC神戸レオネッサとアルビレックス新潟レディースの選手のアップが始まった。
【10:20】
 ゴール裏コンコースに再集合してコレオグラフィー準備開始。準備に集まったサポーターを数ブロックに分けて椅子にコート紙を養生テープで貼りつけていく作業。その裏では全日本女子サッカー決勝戦が始まっている。

【10:30】
 女子サッカーKICK OFF。試合が行われる中でのコレオの準備は予想以上に大変。席と席の間隔が狭く、しかも席の下に空間が無いため荷物を押し込めるスペースが無い国立。見ている人の邪魔に極力ならないように身を屈めながら列を巡回してコート紙の貼付け、すでに座っている席には手渡しで配っていく。紫紙のカップ&文字の部分はコアの方々に任して白紙に専念したが、それでもこの大変さ。女子サッカーのハームタイムにはほぼ自分の持ち場を貼り終えたが、最終準備が完了するにはやはり13時を超えていた様子。
【12:18】
 INAC神戸レオネッサ 3-0 アルビレックス新潟レディースで試合終了。第32回大会に続く連覇で2回目の優勝を決めた。メインスタンドの表彰台に登る両チームの選手。3時間半後、天皇杯の戦いを終えてどちらのチームが表彰台に登るのか。
【12:40】
 ホームゴール裏にレオネッサの選手がやって来た。沢、大野、川澄、海堀等なでしこジャパンメンバーを数多く抱えるレオネッサ。前日大晦日には紅白歌合戦の開会宣言にも駆り出されてており、もしも負けてしまったら大きな批判にさらされていたであろう試合で、危なげなく完勝したのはさすが。
 レオネッサゴール裏での記念撮影を終えて、サンガゴール裏にも来てくれた。優勝カップを高く掲げるレオネッサの選手たち。健闘を称えるサンガサポーターに、レオネッササポーターからも京都サンガコール。「次はあなた達の番です!」

【13:00】
 女子サッカーも終わり、天皇杯に衣替えした国立。サンガゴール裏にはパーサくんとコトノちゃんもやって来た。心配されたパーサくんも、きちんとホーム仕様。嘴が垂れた偽物でなく一安心。ゆったりと歩く二匹に対し、逆サイドでは東京ドロンパが袴姿で「T・O・KYO!」と踊る。パーサももう少し芸達者になって欲しいものだが。「バク転しろ!」「向こう(アウェイ)側行ってこい!」の煽りに対しては「ムリムリ」と耳を塞ぐパーサ。
【13:20】
 サンガ選手アップ開始。累積警告で秋本が出場停止。代わって安藤がセンターバックに入り、加藤弘堅が一つ下がって右サイドに入る。サブにはJ2開幕戦以来のベンチ入りとなる下畠が入る。準決勝に続き、今日もゴール裏に掲げられるビッグフラッグ。2時間後、もう一度このフラッグを国立に掲げたい…
 東京ゴール裏から「J1なんてララララララララ」チャント。ここまでJ1を倒してきての決勝という意図だろうことはわかるが、続いて「俺たちJ1!お前らJ2!」と揶揄するチャント。タイミング良く出される「J2なめてません」の横断幕。これには大人しいサンガサポからも大ブーイング。こんなふざけたチャントを二度と歌わせてはいけない。史上初のJ2対決となった天皇杯決勝、といってもFC東京はJ1昇格を決めたチーム。J2京都をナメるなよ!
【13:50】
 メンバー発表。今日のスタジアムDJは、日本代表戦でもお馴染みの関野浩之氏。代表戦と同じかそれ以上のテンションでの選手コール、京都ローカルの選手達が日本代表並みのアナウンスを受けることにむずがゆさを覚えつつも、国立のビジョンに映し出される選手たちの写真と相まって、否が応でも気分が高揚してくる。
【13:55】
 いよいよ選手入場を控え、コレオグラフィー開始。白地に紫で「2003 優勝カップ 2012」が浮かび上がる。9年前の栄光を再びこの手に。逆サイドの東京ゴール裏では、上下青赤に中央「12」を浮かび上がらせている。これも「1」の左下が微妙に出ていて「J2」とも読めてしまう…
 選手入場、国歌斉唱は中鉢聡氏。元日国立の空に向け、紫のユニフォームに身を包んで君が代を歌える幸せ…
 いよいよ試合開始だ。

【14:05】
 KICK OFF。先手を取ったのはサンガ。13分ドゥトラの突破を東京DFが挟んでブロックするが、そのこぼれ球が中山の正面に渡る。これを中山がGKの位置を良く見てゴールマウスに蹴り込んでサンガ先制! まだ開始間もないが、お祭り騒ぎのサンガゴール裏。「ゼロックス、ACL韓国・中国・オーストラリア…」と頭をよぎってしまったのは事実。しかし甘くはない。2分後の東京CKから今野に押し込まれて同点。
【14:28】
 関東地方で地震。東京23区は震度4。当然国立も長い時間揺れが続き、ざわつくスタンド。しかし試合は続行の判断。
 サンガも細かいパスワークで打開を図るが、36分のFKから森重にブレ球弾丸シュートを決められて逆転。42分にはGK水谷のゴールキックのクリアボールからルーカスに抜け出されてしまい、3点目。終了間際にも石川のシュートがバーを叩くなど、ほぼ一方的なFC東京の展開。準決勝の120分の死闘から中2日。明らかに疲労は残っている。2011年のJ2リーグ戦では西京極で1-4、味スタで1-6と大差で敗れており、その記憶が蘇ってきてしまう。だが、天皇杯ファイナリストのサンガ。当時とは違うことを証明したい。

【15:05】
 後半KICK OFF。2点リードのFC東京が自陣にこもって守備ブロックを作る中、ボールを回すことが出来るがなかなかフィニッシュまで持っていくことが出来ないサンガ。次の1点が試合を決める展開の中、スコアを動かしたのはFC東京。カウンターから中央フリーになったルーカスの本日2点目、1-4。だがサンガも54分にドゥトラに代えて準決勝のヒーロー、久保を投入、58分には負傷の中村充孝に代えて駒井を投入。フレッシュな若武者に全てを賭ける。
 次第に決定機を掴みつつあるサンガ、福村のクロスに中山のオーバヘッドシュートは惜しくも枠外、70分のチョンウヨンのFKは枠を捉えるもGK権田に弾き出される。しかしここで得たCKに合わせたのは久保裕也!準決勝に続く今大会3ゴール目で2点差に追い上げる。
 76分には加藤弘堅に代えて今期初出場の下畠を投入。ゴール裏では驚きの反応だったが、布引でのステップアップリーグで高パフォーマンスを目撃している自分からすると驚きではない。これで「宮吉・久保・駒井・下畠」とメンバー外の伊藤以外のU-18出身選手が揃うこととなった。残る時間で2点、ロングボールの放り込みにもなりがちだが、あくまでパスを繋いで崩す自分たちのサッカーをやめようとしないサンガ。
 アディショナルタイムは3分、最後のチョンウヨンのFKがクロスバーを叩き、試合終了の笛が響く。2-4でFC東京の勝利。この瞬間、京都サンガF.C.の2011年シーズンは、天皇杯準優勝という形で幕を閉じた。

【16:00】  90分の激闘を終え、表彰式に入る。審判団への表彰に続き、準優勝チームの表彰に入る。メインスタンドの花道を登って行くサンガの選手たち。銀色のメダルを首にかけ、準優勝シャーレを持つ姿に笑顔は無い。しかし、J219位というどん底から共に這い上がってきたサポーターからは温かい拍手が贈られる。確かに決勝でFC東京に完敗、チーム力の差を思い知らされた。しかし、モンテディオ山形、鹿島アントラーズ、横浜F・マリノスというJ1を倒しての準優勝。誇らしいじゃないか。
 最後に優勝チーム、FC東京の表彰と天皇杯授与。更に一段高い表彰台で天皇杯を掲げるFC東京の選手たちをピッチから見上げるサンガの選手たち。この悔しさは必ず次に繋がるはずだ…

【16:10】
 FC東京ゴール裏に挨拶に行くサンガの選手たち。今回大会から表彰の形が新しくなり、「お互いを讃えよう」とのことから、表彰への花道でも準優勝チームを両脇で優勝チームが拍手で送り出し、相手ゴール裏へも挨拶に行く形となったようだ。
【16:15】
 スタジアムを半周してサンガゴール裏に選手たちがやって来る。ここまで連れてきてくれた選手たちに心の底からの拍手と共に、「J1へ行こう!」チャント。そうだ、今年はJ1昇格に失敗したシーズン。これを決して忘れることなく、でも天皇杯準優勝という“悔しさ”と“成果”を自信にして、2012年を更なる飛躍の年にして欲しい。


 長かった2011シーズンも今日で終了。例年はリーグ戦終了後の天皇杯は負け抜けており、盛り上がりとは蚊帳の外だった。しかし今年はクリスマスはもちろんのこと、年を跨いで元日まで楽しませてくれることが出来た。全国5,000以上のクラブの中で、準優勝。このことは素直に嬉しく、誇らしく思う。

 サンガは短いオフに入る。再始動は1月16日、21日には八坂神社で必勝祈願。もちろん天皇杯の興奮と記憶が冷めない中ではあるが、もう一度サンガの新たな歴史を作って欲しい。

 最後にもう一度。
 元日・国立に連れて来てくれてありがとう! 次は優勝!


【20:00】
 新幹線で京都へ帰着。改札を出ると、紫のマフラーを見つけたのか、「試合行かはったんですか?」と声を掛けられた。試合に負けた悔しさと、たくさんの人がサンガのことを気にかけてくれていた嬉しさで、泣きそうになった。


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