向回路

Last Modified
20120404

2012/04/01(Sun) J.LEAGUE DIVISION2 第6節 (鹿児島県立鴨池陸上競技場)
京都サンガF.C. 3-2(前半1-2) アビスパ福岡
<得点>
(京都)工藤浩平、長沢駿、宮吉拓実
(福岡)OWN・GOAL、高橋泰

 遂にやって来た、初鴨池遠征!
 春のキャンプ地であり、メインスポンサー京セラの国分工場があり、また名誉会長稲森氏の出身地でもある鹿児島県。1997年の初開催以来、毎年のようにホームゲームを開催している。今日の試合は3年ぶりの鴨池での試合。前回の鴨池でのゲームは2009年のFC東京戦、この試合は2-1で勝利。今年のキャンプ中に行われた練習試合でも杭州緑城戦(◯6-0)、ジュビロ戦(◯3-1)と勝利を収めている相性の良いスタジアム。

 せっかくの鹿児島遠征、今回も鉄道ファン的遠征計画を!…と今回は経費節減から往復スカイマークの早割で神戸空港からひとっ飛び。それでも空港アクセスを含めると、山陽・九州新幹線と所要時間が殆ど変わらない。やっぱり飛行機は使いにくい。鹿児島到着後は、観光特急「指宿のたまて箱」で指宿に向かい、砂むし温泉でリフレッシュ。熱い砂を乗せられて体中の血管が脈打つ感じ。その後はJR最南端西大山駅、最南端の終着駅枕崎駅を経て、鹿児島交通南薩線の廃線跡を辿るバス旅。途中加世田バスターミナルの南薩線記念館ではフォークソング調の南薩線の歌が哀愁を誘う…
 土曜日の宿は、肥薩おれんじ鉄道阿久根駅に隣接する、あくねツーリングSTAYTION。ここはブルートレイン「なは」で使用されていた24系25型車両2両(オハネフ25 2209、オハネフ25 206)がそのまま使われているツーリングハウス。割り当てられた部屋は2人用個室デュエット。車内は現役当時そのまま、明石海峡大橋のポスターまで残されている。去年の熊本遠征でもブルートレインの宿に泊まったが、あちらは車両が屋根で覆われておりかなり整備されていたが、こちら阿久根はいい意味でそのまま。トイレ洗面所も本物が使用できるが、車両の痛みは隠せない。スタッフさん曰く、秋に再塗装をかけるそうだが、屋根もなく海も近いため、外壁の痛みも早いだろう。少しでも長く持ってくれればいいのだが。


 迎えた試合当日の日曜日。鹿児島中央駅から鹿児島市電鴨池駅で下車して徒歩で向かう。途中の歩道橋では噴煙を上げる桜島が真正面から迎えてくれる。10分ほど歩いて運動公園到着。いつものサンガアーチが迎えてくれる鴨池陸上競技場、残念ながらスタジアムイベントの類は殆ど無く、少しだけ期待していたスタジアムグルメも、西京極名物冷めた唐揚げがと焼きそばくらいしか無い。せっかくの鴨池開催、もう少しイベント系を充実させてくれても良かったと思うが。
 その代わりといっては何だが、映画の宣伝で名探偵コナンが登場。スタジアム前でパーサくん、コトノちゃんと記念撮影に応じているが…あれ、コナンはいいとしてパーサの動きがおかしい。明らかにキレが悪い。外見(着ぐるみ)は本物だが、中の人が…いや、気のせいか…
 その名の通り鴨池は陸上競技場。陸上トラックを挟むピッチまでの距離は西京極と同じくらい。だが芝生席のゴール雨の傾斜があまり無いため、観戦環境は微妙な所。もちろんメインスタンド・バックスタンドはしっかりしているので、そこからの観戦には問題はないだろう。京都から遠征してきたであろうゴール裏のサンガサポはざっと50人程度か。さすがに同じ九州、当然ゴール裏の人数は福岡側のほうが多い。いや、サポーターは数じゃない。ハートだよ。バックスタンドには地元の少年サッカー団が多く、色とりどりのジャージ姿が目に入る。
 ゴール裏の電光掲示板、サンガ主催とあって選手紹介ではドット絵の選手写真が表示されて少し驚き。残念ながらゴール裏からは太陽光の関係でほとんど内容が見えなかったが…

 今日のサンガメンバー、開幕からノーゴールが続く久保がスタメン落ち。代わって長沢が初スタメン。練習でも好調を維持しているとのこと、公式戦でその力を見せて欲しい。気温は18.5℃、天気は快晴。これまで全試合雨に祟られていたサンガ、ようやく良好なピッチ環境で試合ができる。しかし、ゴール裏からは太陽を正面に見る形となりかなり暑い。これは日焼けをするぞ…


 地元鹿児島城西高校出身、中山博貴を先頭に選手入場。鹿児島副市長のキックインセレモニーを経て、13:05KICK OFF。終始ゲームを支配するのはサンガ。前節町田戦ではセカントボールが拾えずにペースを握られっぱなしだったが、今日は前線からプレッシャーをかけ続け、セカンドボールを奪うことが出来ている。早速5分、高い位置でボールを奪うと細かいパスワークから中村充孝、工藤がワンタッチパスで抜け出して工藤のゴール!実にサンガらしい攻撃での先制。直後にも宮吉の横パスに長沢のシュートはクロスバー、CKからファンテソンのヘディングは福岡GK神山がワンハンドで掻き出す。前半から攻めに攻めるサンガだが、GK神山が当たり日。前半だけで9本のシュートを放つが、得点は工藤の1点のみ。逆にFKとカウンターで2失点。サンガのゲームだが福岡はシュート2本で2得点。サッカーは難しいとはこういうことか…
 後半、初スタメンの長沢が魅せる。前半からロングボールへのポストプレイ、足元で繋ぐプレイ共に上手さを見せていた長沢。50分、工藤とのパス交換で前半に抜け出すと、中村充孝のワンタッチパスに抜けだした宮吉の折返しを押し込む。長沢の移籍後初得点でサンガ同点!続く58分には同じような展開、中村充孝のパスに抜けだした長沢がお返しとばかりに宮吉へ横パス。これをきっちりと決めてサンガ逆転!その後も攻めつづけるサンガ。後半でシュートは7本、福岡の攻めもゴール前で粘り強く跳ね返して後半のシュートは1本止まり。3-2というスコアだが、試合内容はスコア以上。J1昇格争いのライバルから勝ち点3を積み上げることが出来た。


 長沢がスタメン起用に応える1得点1アシストの活躍。テレビ・スタジアム用のヒーローインタビュー、ゴール裏のお立ち台でサポーターへの感謝を述べていた。その長沢以上に、3得点に絡んだ中村充孝の存在感。今や工藤・中山以上にサンガの攻撃のキーマンとなっている。得点の意識も高く、隙あらば前線にも顔を出して今期既に2得点。今後の活躍にもますます期待が集まる。
 最後は“ホーム”鴨池でのオレオレサンガと勝利のバンザイ。サポーターの人数は少なく、大旗も2本と少々寂しいゴール裏だったが、快晴の鹿児島の空の下、広い芝生席を走りまわってのオレオレサンガ。実に気持ち良かった。


 さて、ドゥトラの鹿島への電撃移籍について。年初のサポーターズミーティングで祖母井GMが何と言ったか。「ドゥトラが帰ってこない、祖母井どうなってるんだと掲示板に書かれてましたよね。ちゃんと帰って来ましたよ。叩いた人がいたら後で謝っておいてくださいね」その帰ってきた結果が鹿島への移籍。どのような経緯でこうなったのか、きちんと説明してくれないと腑に落ちない。



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