向回路

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20121206

2012/11/18(Sun) J1昇格プレーオフ 準決勝 (京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場)
京都サンガF.C. 0-4(前半0-2) 大分トリニータ
<得点>
(大分)森島康仁×4

 「日本一残酷な、歓喜の一戦。」
 J2リーグを3位で終えたサンガ、今期シーズンより創設されたJ1昇格プレーオフに回ることとなった。3位京都vs6位大分、4位横浜FCvs5位千葉の準決勝、90分で決着がつかない場合は上位チームの勝ち抜けとなる。つまり、サンガは引き分けでも決勝進出。このアドバンテージがどう試合に影響するのか… そして決勝国立。今年のサンガは、天皇杯決勝の敗戦から始まった。国立に始まり、国立に終わる。そのためにも、まずは今日の一戦を…

 前日に東京から宇治の実家に帰り、当日は朝8時に西京極集合。天皇杯決勝以来のコレオグラフィーの準備をするためだ。元々、先週のリーグ最終戦甲府戦で実施される予定だったが、朝から降り続く雨のため中止になったもの。準備に集まったのは約30人。サポーターズシートの待機列に荷物を置き、まずはバックスタンドへ。今日のコレオは紫一色にバックスタンド中央はビッグフラッグ。ビッグフラッグのスペースを残し、全ての椅子に紫のコート紙を貼り付けていく。風も強く、途中で小雨が降る天候ではあったが、約1時間半で準備完了。電光掲示板でも試合に向けた確認が行われており、表示されていたのは「京都3-0大分」。このスコアを現実にしたい…
 11:30、先行入場開始。さすがにゴール裏は普段より出足が早く、周りの席もあっという間に埋まっていく。バックスタンドの客入りは…まだまだこれからといったところ。12時を回り、選手バスを迎えに行く。そこにやって来たトリニータラッピングバス。大分選手バスか!とブーイング!をするが、これはサポーターのツアーバス。ブーイングに手を振って応えてくれた大分サポは心が広い。12:25、サンガ選手バスを迎え入れる。さあ決戦だ。

 コレオで紫に染まった西京極、14:04KICK OFF。先制点が試合の行方を大きく左右するこの試合、序盤攻勢に出るサンガが、防戦一方の大分だったが、17分、大分のFK。普段蹴らない森島のキックは見事な弧を描きゴールに吸い込まれる。0-1、まだまだ時間はある。しかし33分、左サイドを崩されたクロスから、中央フリーの森島に体制を崩されながらシュートを許し、失点。0-2。この2点は大きすぎるか…
 後半、サヌ、原を投入してゴールを狙うサンガ。だが60分、ゴール前でのお粗末なミスから染谷がエリア内でファール。一発退場でPKを与えてしまう。三度森島、ハットトリックを許して0-3。この3点を返すには10人での戦いはあまりにも酷だった。前がかりになったところを突かれ、90分には森島に今日4ゴール目を許して試合終了。最後まで、最後まで戦ったが、結果は残酷な0-4。2012年サンガのJ1への挑戦は幕を閉じた…


 準決勝もう一試合は、5位千葉が4位横浜FCを4-0で下して決勝進出。奇しくもアウェイの下位チームが4-0という同一スコアで上位チームを下した。チャレンジャー、失うものはないという立場が有利に働いてしまったのか。
 うなだれて引き上げてくる選手たち。涙を流す安藤、駒井… このチームをまだ見ていたかった。国立に行きたかった。それはここにいる全員が同じ気持ち。でも来年、もう一度J1を目指す戦いが続く。この気持ちを忘れることなく、再び輝くサンガを見るのが本当に楽しみだ。

 選手が引き上げた後、さすがにサポーターも居残り、今井社長を呼び出す。「継続」これが今のサンガの方針。確かにJ1昇格こそ逃したが、順位は着実にステップアップしている。これまでの悪い歴史を繰り返すことなく、ブレずれにサンガを作り上げて欲しい。もちろん、サンガ対策を全く打ち破れなかった今期、今日のプレーオフがその最たる例だろう。来年こそは、もう少し柔軟性を持った戦いを身につけてくれることを、切に願う…



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