向回路

Last Modified
20130329

2013/03/03(Sun) J.LEAGUE DIVISION2 第1節 (万博記念競技場)
ガンバ大阪 3-3(前半0-1) 京都サンガF.C.
<得点>
(G大阪)阿部浩之、レアンドロ、遠藤保仁
(京都)安藤淳、山瀬功治、久保裕也

 ガンバ大阪、ヴィッセル神戸が降格し、関西3クラブとなった2013シーズンのJ2リーグ。メディアでは、「昇格ガンバ最有力」「ガンバ包囲網」などと報道されている。もちろんガンバに力があるのは間違いないが、サンガは相手がガンバだからといって特別なことをするようなチームじゃない(その良し悪しは置いておいて)。普段通りのサンガの力をぶつけ、開幕ダッシュを決める、それだけだ。

 2010年以来の万博アウェイ。今日はチケット完売ということで、開場時間の14時に現地入りするが、ガンバ側ゲートは延々と続く待機列。さすがにサンガ側は…と思っていたが、アウェイゲートも長蛇の列。最後尾は…と進み、進み、なんとモノレール公園南口駅を突破するくらいまで列が伸びている。J2も3シーズン目になるが、この列は今年のサンガに対する期待の現れだろう。関西ダービーということもあるが、嬉しい限り。
 ゴール裏にいつもの観戦メンバーと陣取ると、決起集会が始まる。新加入選手のチャントや新アンセム“京都慕情”など。特に山瀬や中村祐哉など、カッコいいチャントが多い。今年はなかなかの作詞作曲(曲チョイス)センスを感じる。ガンバからレンタル加入の横谷は契約上出場できないが、横谷のチャントも歌って気持ちを盛り上げる。いよいよだ。

 16時、青と紫、スタジアム全体でタオルマフラーを掲げて選手を迎え入れる。もちろんホームゴール裏は青で染まっているが、その中にもメインとバックには紫のサポーター。“さあ行こうぜ 胸を張って 紫の勇者たち”。紫のサンガゴール裏に合わせてタオルマフラーを回してくれる。心強い。
 16:03 KICK OFF。コートチェンジで前半はサポーターに向かって攻めるサンガ。早速ゴール前での細かいパス回しから山瀬が挨拶代わりのシュート。ゴール僅か左に逸れるが、幸先は良い。24分、FKのチャンス。福村の蹴ったボールを秋本が頭で後ろに戻すと、ダイレクトボレーでゴールに叩き込んだのは、新キャプテン安藤!J2 BEST GOAL AWARDにノミネートされた美しいシュートが決まって、サンガ先制!前半こそ1点止まりだったが、ガンバを圧倒する戦いを見せたサンガ。戦い方こそ、これまでと同様狭いエリアでボールを繋ぐサッカーだが、そこに山瀬と三平というアクセントが加わる。山瀬の突破力は言わずもがな、前線でボールを失わない三平のキープ力も目を見張る。宮吉のGK正面を突いてしまったヘディングシュート、さらにファール判定で取り消しになってしまった宮吉のシュート、まだまだ得点の匂いを感じる。
 後半に入り追加点を狙いたいが、そこに立ちはだかったのはガンバ・遠藤。60分、右サイド遠藤の折り返しを阿部が同点ゴール。さらにその2分後、ペナルティエリア内でレアンドロを染谷が後ろから倒したという疑問の判定によりPK献上。レアンドロが自ら決めて、あっという間に逆転されてしまう。湧き立つ万博。だがここからが強いサンガの見せどころ。中村祐哉、久保裕也の“Wユウヤ”と投入。前線を活性化させるとその直後81分。入ったばかりの久保が右サイドを駆け上がっていた安藤にボールを繋ぐ、その折り返しをフリーになっていた山瀬がシュート!グラウンダーのシュートはガンバGK藤ヶ谷をかすめてゴール!同点!そして迎えたアディショナルタイム。中村祐哉の狙い澄ましたスルーパスに久保が相手DFを振り切ってシュート!逆転!頭が真っ白になる喜びとは正にこのことか。狂喜乱舞のサンガゴール裏!だったのだが、パウリーニョを倒してしまいまたもPK、さらにバヤリッツァが2枚目の警告で退場。遠藤が蹴ったPKはバーに鈍い音を響かせてゴールイン。派手な打ち合いとなったゲームは、3-3で終了。勝ち点1を分け合った。

 前半宮吉のゴール取り消し、さらに2本のPK。審判団へのブーイングが鳴り響いた。サンガからすると、勝てた試合、勝ち点2を失ったとも言える。だが、1-2の状況から一時は3-2へひっくり返すことができた。このファイトは満足ができる。前半こそ1点止まりだったが、“また観たくなるサッカー”を体現してくれたと思う。引き分けという結果と余計なPK以外は、本当に楽しい開幕戦だった。
 引き上げてくる選手を拍手で迎える。来週のホーム開幕、ヴェルディ戦こそ、勝ち点3を!



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