向回路

Last Modified
20140428

2014/04/20(Sun) J.LEAGUE DIVISION2 第8節 (松本平広域公園総合球技場)
松本山雅FC 2-2(前半0-0) 京都サンガF.C.
<得点>
(松本)船山貴之、犬飼智也
(京都)三平和司、大黒将志

 前節の山形戦を引き分け、未だホームでは勝ち星無し。しかしアウェイでは大分戦を大黒のハットトリックで3-0の勝利。迎えた第8節は、アウェイ松本山雅戦。天皇杯で1勝しているものの、リーグ戦では2分2敗と未だ勝ち星なし。だがアウェイでは2分となっており、まだ負けを知らない会場とも言える。今日こそアルウィン初勝利といきたい。

 松本までのJR中央本線、今日は関東圏ではほとんど見ることのない、115系横須賀色での鈍行列車の旅。朝が早かったこともあり、熟睡しているうちにあっという間に松本駅。2010年のJR東日本・信州ディスカバリーキャンペーンでデビューし、今では長野県観光PRキャラクターとなっている、アルクマがお出迎え。駅からアルウィンまではシャトルバスが随時運行。試合開始の6時間前!(今日だと、午前7時)から運行していることにも驚きなのだが、片道約30分がなんと無料運行。地元の方は多くが自家用車利用ということもあり、これはアウェイにかなり優しい待遇。バス車両自体は、列間隔が狭い2×2シートだったが、無料ならば文句は言うまい。松本駅を出て、途中のホテルにMKのサンガバス。どうやら選手はここに泊まっていたらしい。
 スタジアムへ到着、の前に少々寄り道。アルウィンから信州まつもと空港を挟んだ向かい側にある松本市サッカー場(長野県フットボールセンター)、ここは松本山雅FCのメイン練習場だ。人工芝1面のコートを今日は2つに割り、チラベルトカップという少年サッカー大会が開催されている。そう、松本は2002年W杯でパラグアイ代表のキャンプ地だ。グラウンド横の建物には、長野県サッカー協会、松本市サッカー協会が入居している。
 ぐるっと見学を終え、ようやくスタジアムへ。アウェイゲートには、松本サポーターからのメッセージ、「京都サポーターさん ようこそ」「おかえり」…え、おかえりだと…まあ事実ではあるがなんだか釈然としない… 今日も充実のスタジアムグルメで牛串を頬張り試合の準備は万端。ふとスタンドで後ろを振り返ると、「チケット買うなら セブン・イレブン」の広告。まあチケットぴあで取り扱っており間違いではないのだが、発券手数料が無料の「セブンチケット」で取り扱っていない以上、あまり大きな顔をしないで欲しいもの。
 選手アップ開始前にサポ席前列が騒がしい。そこにはバドゥ監督。ピッチに落ちた大旗を拾い、リクエストに答えて振り出したようだ。2006年〜2009年に長野パルセイロの監督を務めており、ここアルウィンでの信州ダービーも経験したバドゥ監督。今日も再び熱い試合になりそうだ。サンガスタメンには、コンディション不良のアレッサンドロに代わり、初スタメンの有田が入る。

 13:03 KICK OFF。強風のアルウィン、前半は風下に立ったサンガ、開始早々立て続けに2度攻撃を浴び、耐える時間が長くなるかと思わせたが、前半を通じてチャンスを多く作ったのはサンガ。ゴール前こぼれ球を狙った比嘉の強烈シュートはバー直撃。さらに駒井のシュートは相手DFが伸ばした足に当たってゴールならず。ここのところ前半に形を作れないサンガ、今日は得点こそなかったものの後半に期待を持たせる内容で前半を終える。
 後半、まずスタジアムを沸かせたのは大黒。ゴール前有田が潰れたところに大黒がダイレクトシュート!GKが弾いたところに再び大黒!これはGK正面だったが、難しい体勢でいずれもゴールに飛ばす力。大黒の高い能力を目の当たりにする。先制点も近いか、と思わせたが先制は松本。74分、酒井が松本・船山のユニフォームを後ろから引っ張って倒してしまう。このPKを船山が自ら決めて松本先制。ここでバドゥ監督、三平と中山を投入、この采配がズバリ。78分、工藤のスルーパスを大黒がはたき、角度の無いところからGKの逆を突いてゴールに流し込んだのは三平!ファーストタッチで同点弾。そして85分、松本DFのクリアボールを石櫃が繋ぎ、最後は大黒!チャントにもあるように、まさに“違いを見せた”大黒ゴールでサンガ逆転!残り5分、アルウィン初勝利も近いか、3人目の交代横谷を準備して試合を締めにかかる…が簡単に終わらないのが松本劇場。90分のCKから失点を許して同点。さらにGKとの1vs1、船山がオ・スンフンを交わして放ったシュートはバキが間一髪のクリア。あわや、という場面を作られたところでタイムアップ。勝ち点3を逃したのか、いや終盤松本の猛攻を1失点で耐えて勝ち点1を掴んだのか、難しいが、熱く興奮の90分だった。


 帰路は甲府駅からスーパーあずさで新宿駅まで。座席に座り、今日一日を思い起こす。今年のサンガ観戦はまだ2試合目。ホーム西京極にもなかなか駆けつけることができない中、スカパーの画面の向こうに焦れったさを感じる日々だった。今日も勝ち点3を掴むことができなかった、本当に悔しい。それでも、やはり生観戦に勝るものはない。勝てなかったが試合内容も次に繋がるだろう。勝ち点3が取れなかったこと以外は十分楽しめた松本遠征だった。


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